ウォシュレット累計1億台視野 TOTO社長が描く「未来のトイレ」
TOTOの温水洗浄便座「ウォシュレット」の販売が加速しており、累計出荷台数は2030年代前半にも1億を超える勢いだ。海外市場が成長をけん引する一方、国内では最新のデジタル技術で需要の掘り起こしを狙う。田村信也社長に米中市場や「未来のトイレ」の戦略を聞いた。
――1980年の発売から45年。ウォシュレットの出荷ペースが伸びています。
◆25年11月に累計出荷台数が7000万台となった。最初の1000万台は18年かかったが、直近は3年3カ月と、1000万台のペースは次第に短くなっている。2000年代は中国市場が急成長し、近年は米国で人気に火がつくなど海外が出荷台数を押し上げている。31~32年ごろには1億の大台に乗せたい。
――海外は成長が期待できそうですか。
◆中国は住宅の開発ラッシュが続いた10年代は、マンションが1棟建つごとに高級機種が1000台規模で売れるような市場だった。
ただ、不動産不況に転じて状況は一変した。25年は赤字を止めるために2工場を閉鎖するなど、立て直しに取り組んだ。中国メーカーとの競争が激しい中、リフォームなどの需要を丁寧にすくい取り、売り上げの量よりも、利益の幅を大切にする営業体制に変えている。
米国は住宅の温水洗浄便座の普及率がまだ推計で約3%。1軒の家に複数のトイレがあり、伸びしろが大きい魅力的な市場だ。
――国内はどう取り組みますか。
◆ウォシュレットの売り上げの7割は国内が占めているが、温水洗浄便座の普及率は8割を超えており、大きな成長は望めない。リフォームの需要を確実に取りつつ、新たな一手を考えている。その中で期待するのは、健康面の機能だ。便の形状や量をスキャンし、情報をスマートフォンに送信できるトイレを25年に発売した。介護業界やマンション事業者などの引き合いが増えている。
――デジタルを活用した未来のトイレですね。
◆トイレは便や尿から健康データが取れる。情報通信技術を取り入れることで、データ収集や外部からの見守りにも活用できる。法規制があるため医療機器として販売するのは難しいが、日々の健康管理には十分役立つ。こうしたトイレで新たな需要を掘り起こしたい。データ活用によって新たなビジネスも生まれそうだ。例えば、便の状況に応じた食材提案や、警備会社と連携した高齢者の見守りなどが考えられる。【聞き手・久野洋】
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