“アジア最大級の犯罪組織” カンボジア企業トップ拘束 中国が発表
中国公安省は8日、アジア最大級の犯罪組織とされるカンボジアの華人系企業「プリンス・ホールディング・グループ」のチェン・ジー(中国名・陳志)会長をカンボジア当局の協力を得て拘束し、中国へ移送したと発表した。
公安省によると、チェン氏らは詐欺や犯罪所得の隠匿などの容疑に問われている。引き続き捜査を進め、関与した他のメンバーも指名手配するという。
カンボジア内務省も、中国当局の要請を受け、チェン氏ら中国籍の3人を6日に拘束し、7日に中国側に引き渡したと発表。数カ月前から合同捜査を進めていたといい、チェン氏のカンボジア国籍が取り消されたことも明らかにした。
カンボジアは国際的な特殊詐欺の拠点となっており、米司法省が昨年10月中旬、通信詐欺や資金洗浄などに関与したとしてチェン氏を訴追した。米財務省や英政府も、チェン氏らに制裁を科していた。
発表などによると、プリンスはカンボジアで少なくとも10カ所の犯罪拠点を運営。人身売買などで集められた人々を監禁・暴行し、強制的にオンライン詐欺に関わらせていたとされる。詐欺被害は米国を含む世界各地に及んでいた。
プリンスは2015年ごろ創業。不動産開発を足がかりに、ホテルやカジノ、銀行などを傘下に抱える国内有数のコングロマリット(複合企業)へと急成長した。チェン氏は中国出身の38歳とされ、フン・セン前首相の私設顧問を務めるなど、カンボジア政界にも影響力を広げていた。
プリンスの関連会社は日本にも進出し、チェン氏も東京都内に邸宅を確保していた。中国の情報機関とも近い関係にあったと指摘される。英紙タイムズは内部告発者の話として、チェン氏の純資産が600億ドル(約9兆4000億円)に上ると報じていた。
カンボジアでは、中国が提唱する巨大経済圏構想「一帯一路」の下で都市建設や観光開発を進めた結果、中国から企業や資金とともに犯罪組織も流入したとされる。【北京・河津啓介】
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