フジHD、不動産事業に外部資本導入検討 旧村上系はTOB取り下げ
フジテレビの親会社フジ・メディア・ホールディングス(HD)は3日、旧村上ファンド系の投資家から切り離しなどを求められていた不動産事業について、外部資本の受け入れを検討すると発表した。旧村上ファンド系がフジHD株式の公開買い付け(TOB)方針を取り下げたことも明らかにした。記者会見を開いた清水賢治社長は「(お互い)企業価値向上の点では一致しており、我々の中にいただけでは成長できない。非常に悩みが多かったが熟考した上で決めた」と述べた。
外部資本は、フジHD100%子会社のサンケイビルを核に、不動産事業で導入を検討する。事業の売却が選択肢にあることも示した。
今後旧村上ファンド系が外部資本として名を連ねるかどうかについて、清水社長は「検討結果が決まり次第発表する。サンケイビルの成長に資する相手を求めたい」と述べるにとどめた。5月の決算発表時に具体策を提示するという。
対立から一転、方針を変更したことについて、清水社長は、株主の出資を元手に企業がどれだけ利益を上げたかを示す自己資本利益率(ROE)を挙げ、目標の8%に向上させるため必要だと説明。「より早く実行するほうが企業価値向上につながる」と強調した。
フジHDは、旧村上ファンド系などが保有する株について、2350億円を上限に直接買い戻すことも決めた。
不動産事業を巡っては、旧村上ファンドを率いた村上世彰氏の長女でフジHDの大株主である野村絢氏などから、放送局としての本業に注力して企業価値を向上させるためとして、事業の分離や売却を求められていた。フジHD側は買収防衛策導入で対抗したが、更にTOBで買い進めると通告されていた。
対立が収束する見通しとなり、フジHDが想定していた買収防衛策発動の是非を問う臨時株主総会の開催は回避される。
また2026年3月期の通期業績予想について、最終(当期)損益を従来予想から40億円増の225億円の黒字(前期は201億円の赤字)に上方修正した。広告収入の回復が進んでいるためなどとしている。【井上知大、諸隈美紗稀、町野幸】
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