JBICがリスク取った支援を可能に 経済安保有識者会議が提言

2026/02/10 17:24 

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 内閣府の経済安全保障に関する有識者会議は10日、経済安保推進法の改正に向けた提言を取りまとめ、小野田紀美経済安保担当相に手渡した。日本企業が経済安保上重要な海外事業を展開する際、政府系金融機関の国際協力銀行(JBIC)がリスクを取った支援をできるようにすることなどが柱となっている。

 提言では、重要物資のサプライチェーン(供給網)構築に向け、JBICを活用して民間企業を後押ししていくべきだと強調。そのために、損失が発生した場合、その損失を引き受ける「劣後出資」を可能にするなど、踏み込んだリスクを取れる仕組み作りを求めた。

 JBICは国際協力銀行法に基づき、民間企業の海外事業について出資や融資、融資保証を提供する。JBICの活動は「償還の確実性」と、公益目的の事業で得た収益を、その事業にかかる適正な費用と均衡させる「収支相償」を原則としている。大きな黒字や赤字を出さずに堅実に実施することが基本だったが、それが今後、改められる可能性がある。

 このほか、総合的な経済安保のシンクタンクや官民協議会の設置なども盛り込んだ。また、電気、ガス、通信など「基幹インフラ」として指定してきた業種に医療分野を追加することや、海外依存のリスクを減らす「特定重要物資」に海底ケーブルの敷設工事などの「役務」も加えることを求めた。

 経済安保法は2022年に成立し、段階的に施行された。施行後3年をめどに見直しを検討すると定められており、高市早苗首相は25年11月に法改正に向けた検討を指示していた。

 JBICは日米関税交渉の合意に基づく5500億ドル(約85兆円)規模の対米投資にも資金提供するが、担当者によると「今回の対米投資は現行の(収支相償の)原則に基づいて実施される」としている。【渡辺暢】

毎日新聞

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