「データは香川、人々の資産」 エヌビディア日本代表・大崎氏が講演

2026/02/18 16:05 

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 エヌビディアの大崎真孝・日本代表兼米国本社副社長と香川県の池田豊人知事は17日、AI活用推進に向けた自治体初の連携協定を結んだ。大崎代表は、県内の銀行や企業関係者らも出席した協定締結式であいさつし、「AIファクトリーで拓(ひら)く地域経済」と題した講演(約7分半)もした。それらの主な内容は次の通り。

 ◇あいさつ

 AIを作り出す工場がAIファクリーです。AIデータセンターにたくさんのデータを集めて、そこから知見を生み出す、そして頭脳を生み出すようなシステムのことです。

 AIファクトリーがなぜ大事なのか。昨今、ソブリンAIといった言葉がよく聞かれます。何かというと、その国で必要なAIはその国の中で作り出す。その地域で必要なAIはその地域で生まれたデータから作り出す。企業内で生まれたデータはそれをしっかりとAIに転嫁する。

 今回、香川県様と日本で初めて地方自治体として私たちと連携協定を結ばさせていただきました。エヌビディアの期待は、香川県のポテンシャルでありデータ、または関西の全てのデータを香川県に集めて、AIを生み出す。AIファクトリーで香川県から生み出し、それを日本中だけではなくて、ぜひとも世界中に発信していただきたい。

 そのためにはたくさんの人、企業を集めて、香川県民の皆様もしっかりとそのサービスを使っていく。それがつながって日本中に広がり、世界に発信できるようになることが、この連携協定をサインアップさせていただいた私たちの目的であり、期待です。

 ◇講演

 エヌビディアがどんなAI戦略を実行しているのか、その中で香川県様との連携がなぜ日本にとって最適なのか、ということをお話し差し上げたいと思います。

 世界では今、AIが経済と社会を動かすインフラとして本格的に導入されています。日本も特にここ3年くらい、東京を中心にさまざまな産業にAIが導入されています。

 エヌビディアはシリコンバレーに本社があり、日本のオフィスは東京の赤坂にあります。それではなぜ、香川県に私たちがこのようなAIデータセンターの連携をさせていただくのか。さきほど、ソブリンAIのお話しを差し上げました。

 日本で今後、さまざまなAIのサービスや製品が立ち上がっていく中で、地方自治体がこのような形で積極的に自分たちの産業の強みやカルチャーを入れてやって、独自のAIを立ち上げていくことが非常に重要だと考えています。

 それは、世界中で起こっていることです。普遍的なオープンプラットホームはオープンであるからこそ、いろいろな場所でいろいろな人がAIを作り出すことが可能になっています。その核となるのがAIファクトリーといわれるAIデータセンターになります。膨大な継続的なデータを取り込んで、最終的に知能を製造する工場。それがAIファクトリーです。

 例えば、製造業では工場の画像データをAIに学習させて、不良品を自動検知するシステムや故障を事前に予知することも可能になります。医療分野でも今、AIがたくさん採用され、また、採用されようとしています。膨大なレントゲン画像やCT画像を学習させて、医師の診断を支援するようなAIが人類の寿命を確実に延ばすと言われています。農業では作物の生育状況を画像解析し、収穫時期を的確に予測するようなAIが世界中で活躍し始めています。これら全てがAIファクトリーで製造されているのです。

 そのAIファクトリーを立ち上げることにおいて、ソブリンAIがものすごく注目されてきます。ソブリンAIはAIファクトリーから派生するものですが、データを取り入れて学習し、インテリジェンスやサービス、製品を生み出します。それを独自の環境で、その地域の中でしっかりと作り出す。

 データ自体が資産なのです。国の資産であり、例えば、香川県の資産であり、企業にとっての資産であり、人々の資産です。その資産をしっかりとAIファクトリーでAIに転嫁することが重要になってきます。

 それは、経済を立ち上げ、経済自体をもう一度加速させるということが可能になります。地域ごとのセキュリティーを発達させることができます。行政サービスで人々に貢献することも可能になります。

 そういった意味で、ソブリンAIが世界中で今、地域で立ち上がっていまして、日本では地方自治体として初めて香川県様とソブリンAIを立ち上げる、そのための連携協定ということになります。

 香川県の方から初めてお話をいただいた時に、ただ単にデータセンターを立ち上げるだけではなく、香川県様は以前からものすごく企業誘致にアグレッシブに動かれ、県民の皆さんにしっかりとその利益を還元できる仕組みに取り組んでおられます。それがまさに私たちの考えているAIデータセンター、AIファクトリーのあるべき姿だと、私たちは共鳴いたしました。

 香川県からスタートするこの取り組みが、日本全国の地方自治体への理想的なロールモデルになってほしい。そして、世界中に発信するような実績をしっかりと作っていきたい。さらに日本全国、世界中から研究者を集めていただき、それらを採用する人たちを集めていただいて、この香川県の魅力を存分に生かしていただきたいと思っています。

 AIデータセンターが近くにあるということは、それだけ開発者や研究者の皆さんを熱狂させるといった特徴があります。ですので、データセンターをクラスター化するのと同時に、AIの開発拠点のクラスター化もどんどん広げていっていただきたいと考えています。

毎日新聞

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