運送事業者の「荷待ち」、送り主側に対価支払いを 独禁法で規制へ
公正取引委員会と中小企業庁は10日、価格転嫁の推進などについて話し合う有識者会議「企業取引研究会」を開き、運送事業者が荷降ろしの際に無償で長時間待機させられる、いわゆる「荷待ち」問題について、受け取り側の業者が送り主側に対価を支払うよう独占禁止法で取り締まる方針を示した。2027年春の実施を目指す。
26年1月に施行された「中小受託取引適正化法(取適法・改正下請け法)」は物流業界を新たに規制対象に追加した。ただ、運送事業者が積み下ろしの際に長時間の待機を余儀なくされる「荷待ち」を巡っては、特に運送事業者と受け取り側の業者の間では、両者が直接の契約関係にないため取り締まれなかった。
研究会では契約関係を活用し、受け取り側が送り主側に対価を支払うことを求め、応じない場合は独禁法を適用する方針をまとめた。運送事業者は送り主に待機分の費用を請求することになる。
荷主の運送業者に対する「優越的地位の乱用」を規制するため、下請け保護に準じる規定として04年に設けられた独禁法の「物流特殊指定」を改正し、違反企業には排除措置命令も出す。公取委の担当者は「輸送事業者に支払うという直接の規定はないが、受け取り側も『なるべく作業を頼まないようにしよう』となるのではないか」としている。運送事業者が無償で荷降ろし作業を手伝わされたりする問題についても同様に禁じる。
このほか、資本金などの要件から取適法の適用外となる取引についても、一方的な代金の決定を禁じ、委託成果物を受け取った日から60日以内に支払うよう求める。
ただ、取適法は独禁法の優越的地位の乱用の補完法として定められ、認定のハードルが高い同規定に代わって資本金関係などで機械的に適用することで問題解決を早期化するもの。取適法の対象外の行為をあらためて独禁法で規制することについて、担当者は「たくさん摘発できるわけではないが、一斉調査や注意喚起で減らしていきたい」と話した。【渡辺暢】
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