東電、柏崎刈羽原発の営業運転再開 管内の原発で14年ぶり
東京電力は16日、新潟県の柏崎刈羽原発6号機(出力135万6000キロワット)で営業運転を再開させた。6号機は2017年に原子力規制委員会の安全審査を通過したが、その後不祥事やトラブルが相次いでいた。東電の原発が営業運転をするのは14年ぶり。厳しい経営環境が続く中、収益の改善に向けた一歩を踏み出すことになる。
この日午前、規制委の事務局を担う原子力規制庁の検査官が、調整運転で発送電を再開している6号機を訪れ、正常に機能しているかを確認した。6号機は午後に規制委の検査を通過し、営業運転に入った。
6号機で供給できる電力は年間で、東電管内の使用量の4~5%に当たる100億キロワット時。営業運転は既に東電の電気料金に織り込まれているため、利用者の電気料金に変化はない。
2011年の福島第1原発事故を受け、東電は厳しい状況に置かれていた。被災者への賠償など事故処理の費用は13年時点の11兆円から23・4兆円に膨らみ、大部分を負担することになった。さらに、柏崎刈羽原発の安全対策費や送配電網を増強させる投資もかさんだ。
18年度以降、自由に使えるお金を示す「フリーキャッシュフロー」は7期連続で赤字が続いている。25年度も原発事故後で最悪の水準となる見通しだ。
その中で、柏崎刈羽原発は頼みの綱だった。6号機は17年に規制委の安全審査を通過した。
ところが、原発構内での社員によるIDカードの不正利用など、21年からテロ対策上の不備が相次ぎ発覚した。このため、規制委から事実上の運転禁止を命じられていた。
命令は23年に解除された。だが、今年1月の再稼働前後も、核燃料の核分裂反応を抑える制御棒の警報が正しく作動しないことが分かるなどトラブルが続き、営業運転が遅れていた。
6号機の営業運転により、東電は約1000億円の収益の改善を見込む。ただし、1月に改定した経営再建計画では、昨今の物価高や人件費の急騰で、6号機だけでなく7号機も再稼働させても「経営状況の抜本的な改善にはつながらない」としている。【山口智】
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