「夫の尊厳取り戻せた」 海外出向中に過労自殺、川崎重工と和解
川崎重工業(神戸市)のエンジニアの男性が出向先の中国で自殺した賠償責任が争われた訴訟で、川重側が遺族側に解決金を払うとの和解が成立したことを受け、妻の験馬綾子さん(49)が17日、大阪市内で記者会見し、「夫の尊厳を取り戻せた」と語った。【岩崎歩】
亡くなったのは清島浩司さん(当時35歳)。川重の社員だった浩司さんは2013年4月、川重と中国の現地企業の合弁会社に出向したが、わずか3カ月後の7月に命を絶った。25年1月の1審・神戸地裁判決は棄却だったが、控訴審では浩司さんが出向先の業務に加え、川重の業務も担う「二重雇用」の状態にあったと主張。裁判長の一定の理解を得て和解にこぎつけた。
1審の提訴から4年に及ぶ裁判は、綾子さんにとって夫の自殺を受け入れる過程でもあった。
1審の途中、代理人弁護士に「転落死ということにできませんか」と漏らしたこともあった。「家族を置いていくなんて…」との思いが拭えず、せめて事故死であれば自分を納得させられると思ったからだ。夫の異変に気づけなかった自責の念から、長らく名前も伏せ取材に応じてきた。
ただ、控訴審に向けての準備で明らかになったのは、浩司さんの「しんどい」という訴えに、会社が向き合ってくれていなかった実態だった。「夫の尊厳を取り戻したい」と、控訴審からは名前も顔も出し闘ってきた。労災当時は幼かった娘2人が応援してくれたことも心の支えだった。
訴訟を通じ、同じように家族を亡くした遺族と出会い、海外赴任者の過労死が十分に可視化されていないという現実を思い知った。
16日に大阪高裁で成立した和解は内容は非公開だが、一定額の解決金を川重側が支払う内容で「勝訴的和解」だった。
綾子さんは会見でこう訴えた。「夫の死を個人の問題として終わらせず、同じようなことが繰り返されないよう声を上げ続けていきたい」
海外出向を巡っては、労働基準法といった国内の労働法制が原則適用されず、労働者の安全を誰が担うのかが曖昧になりがちだ。弁護団長の八木和也弁護士は「今回の和解は、海外出向中の社員についても出向元が責任を負うことがあると事実上示し、国内企業に警鐘を鳴らすものだ。海外で働く人の労働環境を改善する一歩にしたい」と語った。
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