片山財務相「中止勧告が必要不可欠と判断」 牧野フライス買収
政府は23日、外国為替及び外国貿易法(外為法)に基づき、アジア系投資ファンドのMBKパートナーズに対し、工作機械大手の牧野フライス製作所の買収を中止するよう勧告を出したことを明らかにした。工作機械が海外で武器製造に転用される可能性があり、安全保障上の懸念があると判断した。
勧告は22日付。外為法は国の安全に関わる重要業種として、工作機械のほか原子力やインフラ産業などを指定しており、海外企業や投資家が株式を一定以上取得する際は事前の審査が必要になる。外為法に基づく勧告は、今回が2例目。政府は2008年、電源開発(Jパワー)株を買い増そうとした英国系ファンドに中止勧告・命令を出している。
片山さつき財務相は23日、記者団の取材に応じ「国の安全を損なう事態を生ずる恐れがあると認められた。審議会の意見を聞いた上で、中止勧告が必要不可欠であるとの判断に至った」と述べた。牧野フライスが手がける高度な工作機械は国内の防衛装備メーカーで広く利用されている。MBKによる完全子会社化で、国の安全確保に関わる技術や情報が流出する可能性などを考慮したという。
牧野フライスを巡っては、モーター大手のニデックが25年4月に同意のないまま株式の公開買い付け(TOB)を仕掛け、後に撤回した。韓国などに拠点を持つMBKがホワイトナイト(友好的な買収企業)として完全子会社化する案を発表したところ、牧野フライス側もMBKの提案に賛同していた。
MBKは5月1日までに勧告を受け入れるか判断する必要があり、応じなかった場合、政府は買収の中止命令を出すとみられる。MBKは「リスクの軽減措置を提示するなど真摯(しんし)に対応してきた。大きな驚きを持って受け止めている」とコメントした。
政府は海外企業や投資家による対日投資の審査を強化する方針を掲げている。3月には、米国の制度を参考にした「対日外国投資委員会(日本版CFIUS)」の創設に向けた外為法改正案を閣議決定した。【成澤隼人】
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