市川染五郎、『人間標本』で現代劇ドラマに初挑戦 「これは巡り合わせだと思った」

2026/01/17 08:30 

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Primevideoにて配信中のドラマ『人間標本』に出演した市川染五郎 (C)ORICON NewS inc.

 『告白』『Nのために』『母性』などで知られる湊かなえが、デビュー15周年を記念して書き下ろした小説を映像化したドラマシリーズ『人間標本』が、動画配信サービス「Prime Video」でAmazonプライム会員向けに世界独占配信中。

【画像】台湾ロケで撮影した夜市のシーン

 物語は、蝶の研究者である大学教授・榊史朗(西島秀俊)が、息子・至を含む6人の少年を「人間標本」にしたと告白する衝撃の一言から幕を開ける。そして本作で注目を集めているのが、現代劇ドラマ初出演となる市川染五郎。西島と“父と子”として向き合い、これまでにない表現に挑んだ。

――「人間標本」というタイトルを初めて聞いた時の印象は?

【市川染五郎】江戸川乱歩が好きなので、まず「乱歩っぽいな」と思いました。『人間椅子』や、歌舞伎で上演したことのある『人間豹』を連想して。そこに湊かなえ先生の作品だと聞いて、世界観も自分の好きなものだったので、強く惹かれました。叔母の松たか子が映画『告白』(2010年公開)に出演していたこともあって、不思議なご縁を感じました。「これは巡り合わせなんだな」と思いました。

――ご自身が“標本になる”姿は、最初から想像できましたか?

【染五郎】いや、全然できなかったです(笑)。原作や台本を読んで、そうなることは分かっていましたけど、「どう再現するんだろう?」という気持ちの方が強かったですね。山奥の森の中に標本が6つ置かれている現場を初めて見た時、「自分はいま“人間標本”の世界にいるんだ」と実感して、正直、ゾワッとしました。

――榊至という人物に、共感できる部分はありましたか?

【染五郎】共感できたか、できなかったかという二択で言い切れるものではないですが、どちらかといえば、共感できる部分のほうが多かった、というのが一番正しい表現かもしれません。至は芸術に触れることが好きな人物で、僕自身も昔から絵を描くことが好きですし、共通する部分があります。至のように、写実的でリアルな絵を描くことが、リアルであればあるほど素晴らしいものだと思っていた時期もありましたし、実際に写実的な表現を目指していたこともありました。

 でも、ある時から「絵だからこそ表現できるものでなければ、写真と同じではないか」と感じるようになったんです。至もまったく同じことを口にする場面があって、脚本を読んだ時、最初に「あ、同じだな」と共感したのがその部分でした。芸術や美しいものに対する見方や捉え方については、すごく似ているところがあったと思います。

――至を演じる上で意識したことは?

【染五郎】映像作品なので、物語の順番通りに撮影できるわけではありません。シリアスなシーンもあれば、父親との和やかな場面、何気ない日常のシーンもあって、それらを交互に演じることもありました。撮影が進むにつれて、何気ない日常のシーンを切なく感じてしまう自分がいました。でも、その感情を芝居の中に出してはならないと、意識せざるを得なくなっていました。

――台湾ロケはいかがでしたか?

【染五郎】とても大きな経験でした。台湾で撮影したことで、西島さんとの親子としての距離感もぐっと深まった気がしますし、スタッフの皆さんともより一体感が生まれました。劇中で使われている大滝詠一さんの「君は天然色」は、実際に現場でも流して撮影していました。

※プロデューサーによる捕捉:台湾の夜市では、実際に日本の歌謡曲が流れていることが多く、廣木隆一監督がロケハンの際にその光景から着想を得ました。撮影時にも、実際に楽曲を流しながら演出を行いました。

――そうだったんですね、物語の中でもひときわ強い余韻を残す場面だったと思います。西島秀俊さんとの共演はいかがでしたか?

【染五郎】自然と“父親”としての距離感を作ってくださってありがたかったです。その存在感で現場を支えてくださるので、自然と息子として居られた気がします。

――完成した映像をご覧になっての感想は?

【染五郎】映像になって初めて分かるスケール感がありました。実際のロケ地で感じていた以上に、画面で見ると広く、奥行きがある。役者が演じたものに、さらに多くの職人の手が加わって、作品として完成するんだと強く実感しました。

――本作は、ご自身にとってどんな一作になりましたか?

【染五郎】現代劇ドラマ初出演ということもあり、これからの役者人生の中で、きっと何度も思い返す特別な作品になると思います。

――視聴者に向けてメッセージをお願いします。

【染五郎】とにかく「観てください」としか言えないですね。観てくださる人の数だけ、受け取り方があうようにも思います。登場人物それぞれの視点で見ると、違った発見がある作品だと思うので、そのすべてを体験してもらえたらうれしいです。

撮影:島田香
ヘアメイク:川又由紀(HAPP'S.)/Yuki Kawamata (HAPP'S.)
スタイリスト:中西ナオ/Nao Nakanishi
ORICON NEWS

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