新党は「寝耳に水」 公明・斉藤代表のお膝元、広島でも広がる波紋

2026/01/17 07:45 

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 立憲民主党と公明党が次の衆院選に向けて新党を結成し、公明が小選挙区から撤退すると表明したことに、広島県内政界で波紋が広がっている。2024年衆院選で公明の斉藤鉄夫代表が選出された広島3区をはじめとして、他の小選挙区にも影響が及ぶ可能性がある。

 「寝耳に水だった」。立憲と公明が新党結成を明らかにした15日夕、広島市東区の県本部で報道陣の取材に応じた公明の栗原俊二県代表は驚きを隠さなかった。

 栗原氏は「政治を進めるのは自民と公明ということで、四半世紀にわたり定着している」と不安を口にした。それだけに、斉藤代表の決断に対し「重みを感じており、推進しないといけない」と述べた。県創価学会関係者は「今まで通り、平和のために突き進む」と話した。

 立憲の滝本実県連幹事長は15日、県庁で報道陣に、公明との新党結成について「個人的には違和感がない。前向きに受け止め、集う党が一つでも増え、政権に代わるような勢力になるように闘うしかない」と述べ、公明や国民民主党の関係者と早急に話し合いを進める考えを示した。

 一方、自民県連の冨永健三幹事長は16日、「(新党結成は)突然だった。選挙の構図も変わっていくことも想定される」と広島市内で報道陣に話した。公明からの選挙協力がなくなることについての影響は「当然出てくる。どういう形の選挙になるかもわからない」と困惑の表情を見せた。

 広島3区に自民の公認候補として立候補予定の石橋林太郎衆院議員=比例中国ブロック=は16日、県庁で報道陣に「多少複雑な思いはあるが、党の政策を有権者に伝える」と述べた。

 広島2区に立候補を予定している国民民主の福田玄衆院議員=同=は取材に「急な解散で選挙をどう戦うか決まっていないことが多い」と話した。

 国民民主は県内の野党勢力でつくる「結集ひろしま」として立憲と連携してきた。福田氏は新党について「有権者の新たな受け皿になるため、国民の生活本位の政治をしてほしい。立憲とはコミュニケーションを取りながら協力できるところは協力したい」と述べた。

 共産党の村上昭二県委員長は「次の衆院選は、軍拡路線の拡大に歯止めをかける勢力をつくれるかがポイントだが、新党で歯止めがかかると考えられない」と話した。共産は「他の野党との選挙協力はない」という。【川原聖史、井村陸、武市智菜実】

 自民と公明の選挙協力解消は県内ではどう影響するのか。

 直近の国政選挙で比例代表の得票をみると、公明は2025年参院選で約11万4000票、24年衆院選では約12万7000票を集めた。自民支持層からの上乗せがあったとはいえ、1選挙区あたり2万票前後となる。

 24年衆院選で自民と立憲民主が対決したのは、1区、5区、6区。このうち6区は自民が立憲候補に約4万5000票差を付けて比例復活を許さない圧勝だったが、2万票が相手に行くと試算すると一転して激戦になる。

 24年衆院選は派閥の裏金問題による逆風で自民が敗北し、県内でも4区と5区は自民が敗れた。高市早苗政権は高い支持率を維持しているが、選挙戦の構図は県内でも大きく変わる。【宇城昇】

毎日新聞

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