「ロシア軍ミサイルに被弾」 旅客機墜落でアゼル側が予備的結論
カザフスタン西部で25日に発生したアゼルバイジャン航空の旅客機墜落の原因について、ロイター通信は26日、アゼル側が、ロシア軍の防空システムが発射した地対空ミサイルの被弾によるとの予備的結論に至ったと報じた。事故調査に詳しいアゼル当局の情報筋4人の話としている。今後、両国間の外交問題に発展する可能性もある。
ロイターによると、墜落機は露軍の移動式防空システム「パンツィリS」の攻撃を受けたとされる。また、墜落機は、目的地だった露南部チェチェン共和国の首都グロズヌイに接近中、電子戦の影響で通信システムが不通の状態にさせられたという。
情報筋の一人は「(攻撃が)故意だったと主張する者はいない。ただ、事実に鑑み、露側が撃墜を認めるよう期待している」と述べた。
一方、アゼルのメディア「AnewZ」は26日、露情報筋の話として、旅客機がチェチェン周辺を飛行していた当時、露軍がウクライナの無人航空機(ドローン)を撃墜しようとしていたと報じた。露側は民間航空機に対して領空での飛行を禁じるべきだったが、そのような措置をとっていなかったという。
今回の墜落の調査を担うカザフのボズムバエフ副首相は26日、露軍による撃墜の可能性について「否定も肯定もできない」と述べた。露メディアによると、ペスコフ露大統領報道官は26日、報道陣に対して「調査結果が出る前に仮説を立てるのは間違っている。調査が終わるまで待つべきだ」と話した。
墜落機は25日、アゼルの首都バクーを出発し、グロズヌイへ向かっていた。各種報道によると、ミサイルの被弾で機体が損傷し、パイロットが緊急着陸を要請したものの露領内のどの空港にも着陸を許されず、カスピ海を越えたカザフ西部アクタウへ向かうよう命じられたとされる。墜落によって乗員・乗客67人のうち、38人の死亡が確認された。【モスクワ山衛守剛】
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