韓国大統領への逮捕状執行、15日にも再び試みか 側近は捜査当局批判

2025/01/14 19:51 

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 尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領を内乱容疑などで捜査している高官犯罪捜査庁(高捜庁)や警察で作る合同捜査本部が、15日にも尹氏に対する2度目の逮捕状執行を試みるとの見方が強まっている。尹氏の側近の鄭鎮碩(チョン・ジンソク)韓国大統領府秘書室長は14日、「15日が(逮捕状執行の)決行日とされている」と指摘した上で、「国家機関間の正面衝突だけは阻止したい」と呼びかける談話を発表した。

 与党「国民の力」の元国会議員でもある鄭氏は談話で、「国家元首である大統領をまるで南米の麻薬ギャングかのように扱い、追い詰めている」などと捜査当局を批判し、公邸などでの「訪問調査」を提案した。

 ただ、高捜庁や警察は尹氏への逮捕状執行への準備を着々と進めており、14日朝には大統領警護庁とも協議し、「安全で平和的な令状執行のための協力」を求めた。聯合ニュースによると警護庁は14日、「不法な執行については関連法令に基づき、マニュアル通り対応する」とのコメントを発表。依然として令状執行を阻止する姿勢を示している。

 しかし、韓国メディアは警護庁内にも意見対立が広がっていると報じている。聯合によると合同捜査本部は、警護庁内の「強硬派」とされ、警護庁長代行を務める金声勲(キム・ソンフン)次長について、すでに特殊公務執行妨害容疑で逮捕状の発付を受けたという。まず金次長の身柄を抑え、警護態勢を崩した上で尹氏への逮捕状執行に着手する可能性が高いとみられている。

 合同捜査本部は警護庁が強く抵抗した場合に備え、3日程度の「長期戦」も想定し人員を確保しているという。【ソウル日下部元美】

毎日新聞

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