フィギュア世界王者のマリニン選手「仲間を失った」 事故に哀悼の意

2025/02/01 07:32 

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 米首都ワシントン近郊で起きた小型旅客機と米軍ヘリコプターの衝突事故を受け、米フィギュアスケート界で衝撃が広がっている。事故機には少なくとも14人のフィギュア関係者が搭乗し、ほとんどが若手有望選手らの強化合宿に参加していたという。トップ選手らも相次いで哀悼の意を表している。

 「この悲惨な事故で仲間のスケーターを失った悲劇に心を痛めている」。フィギュア男子の世界王者、イリア・マリニン選手(20)は、自身のSNS(ネット交流サービス)にこう投稿した。

 米フィギュアスケート協会によると、旅客機が出発した中西部カンザス州ウィチタでは、全米選手権に合わせて若手有望選手らの強化合宿が行われた。合宿に参加した選手やコーチ、家族らが乗っていたという。

 東部マサチューセッツ州ボストンとペンシルベニア州フィラデルフィアのスケート団体は、それぞれ所属選手らが搭乗していたと明かした。ワシントンと南部バージニア州の団体も確認を急いでいるとの共同声明を発表した。

 2024年3月の世界選手権で優勝したマリニン選手は、事故の3日前の1月26日に開かれた全米選手権で3連覇を果たしたばかり。SNSには「フィギュアスケートのコミュニティーは家族のようなものであり、この損失は言葉では言い表せない。彼らを決して忘れない」などと記した。

 マリニン選手自身も事故機と同じルートで27日にロナルド・レーガン・ナショナル空港に戻ったという。米メディアのインタビューでは「事故が起こったと知り、ウィチタからワシントンに向かっていたと聞いただけで、それが何なのかすぐに分かった。合宿に参加していた子供たちも乗っていたはずなので、聞いたときは本当にショックだった」などと語った。

 22年の北京冬季オリンピックで金メダルを獲得し、世界選手権を3連覇したネーサン・チェン選手も、自身のSNSに米フィギュアスケート協会の投稿を引用し、ハートが壊れるマークをつけて投稿した。【ワシントン西田進一郎】

毎日新聞

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