トランプ政権で効率化省率いるマスク氏 米世論、53%「支持せず」

2025/02/02 07:42 

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 米国のトランプ政権で「政府効率化省(DOGE=ドージ)」を率いる実業家のイーロン・マスク氏が重要な役割を担うことについて、米キニピアック大学の世論調査では回答者の53%が「支持しない」と述べた。CNNによると、マスク氏は2024年大統領選で2億9000万ドル(約450億円)以上を投じ、トランプ大統領(共和党)の復権を支援。「金で買ったポスト」で政府を動かすことに対して、世論は懐疑的な現状が浮き彫りになった。

 マスク氏は選挙戦中、行財政改革のためのDOGE設立をトランプ氏に提言し、認められた。選挙戦終盤では、激戦州での署名活動の賛同者の中から「毎日1人に100万ドル支払う」といった派手なキャンペーンを展開し、勝利に貢献した。

 今年1月20日のトランプ政権発足後はホワイトハウスにも出入りし、側近を関連機関に派遣。連邦政府の歳出や人事のシステムにアクセスし、歳出・人員の削減を進めようとしている。行革には支持もあるが、マスク氏が自ら率いる企業群や富裕層に有利な「改革」を行うとの懸念もある。

 キニピアック大の1月23~27日の世論調査では、マスク氏が力を持つことについて、53%が不支持、39%が支持だった。不支持は、民主党支持層では9割にのぼり、無党派層は56%、共和党支持層でも約2割を占めた。

 一方、トランプ氏の支持率は46%で、不支持の43%を上回った。就任当初としては異例の低さだが、こうした傾向は1期目も同様だった。むしろ米政界で注目されたのは2大政党の好感度で、「好感がある」と答えた割合は共和党が43%だったのに対して、民主党は31%と低迷。民主党は2月1日に新たな党全国委員長を選出したが、党立て直しの道は険しそうだ。【ワシントン秋山信一】

毎日新聞

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