トランプ政権、不法移民対策の担当トップを解任 不満の表れか

2025/02/22 09:20 

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 米主要メディアは21日、トランプ政権が不法移民対策を担当する移民・税関捜査局(ICE)トップのビテロ局長代行を解任したと報じた。トランプ大統領は不法移民の「史上最大の国外追放」を実行するとしていたが、ロイター通信は政権発足から1カ月間の追放者数が「バイデン前政権の平均数を下回った」と報道。担当部局のトップ交代はトランプ氏の不満の表れだとみられる。

 報道によると、ビテロ氏はICEで20年以上の経験があり、トランプ政権発足時にICEの局長代行に起用された。国土安全保障省の広報担当者は局長代行の解任に関して「ビテロ氏は組織管理の役割を離れ、現場の不法移民の拘束・追放作戦を監督することになる」と説明した。後任は未定だという。

 ロイターによると、政権発足後1カ月間に国外追放された不法移民は約3万7660人で、前政権最後の1年間の月平均約5万7000人を下回った。国土安保省は「前政権時は不法越境自体が多かったため、追放数も見かけ上は多くなっていた」と説明している。

 トランプ氏は2024年大統領選で、不法移民対策を最大の争点に掲げ、返り咲きを果たした。メキシコとの国境地帯の警備を強化しており、ホワイトハウスは「2年前には毎日約1500人の不法移民が国境付近で拘束されていたが、新政権発足後は毎日80人程度だ」と成果をアピールしている。ただ、国内にいる不法移民の拘束・追放は思惑通りに進んでおらず、トランプ氏も不満を漏らしていると報じられている。【ワシントン秋山信一】

毎日新聞

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