NY市長収賄事件の公判延期 トランプ政権との「裏取引」疑惑受け

2025/02/22 09:33 

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 米ニューヨークの連邦地裁は21日、4月に予定されていたニューヨーク市のアダムズ市長(民主党)の汚職事件を巡る公判の延期を決めた。司法省がアダムズ氏に対する収賄罪の起訴取り下げを求めたことを受け、それを認めるか検討するための時間が必要と判断した。

 ホー判事は決定で「公共的重要性が高く、慎重な審理が必要」だと指摘。検察と市長側の双方が起訴の取り下げを要請していることから、独立した法律専門家の意見をふまえて可否を判断する方針を示した。

 トランプ政権の発足後、司法省は市長の業務に支障が出ているなどとして、検察に起訴の取り下げを指示した。一方、トランプ大統領に接近するアダムズ氏が、見返りとして不法移民取り締まり強化を約束した裏取引の疑いが浮上。政権の司法介入に反発し、これまで少なくとも7人の検事らが辞任した。

 市政の混乱を受け、ニューヨーク州のホークル知事(民主党)には州憲法で認められた市長の罷免手続き検討を求める声も高まっている。ホークル氏は20日、「有権者の意思」を尊重するとして罷免は当面見送る一方、「特別監察官」の新設など市長の監視を強化する方針を明らかにした。

 アダムズ氏は昨年9月、トルコ政府関係者から高額の接待を受け、領事館の開設許可で便宜を図ったとして収賄罪などで起訴された。無罪を主張し、起訴後も市長を続けている。【ニューヨーク八田浩輔】

毎日新聞

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