ハマス、米国籍のイスラエル兵解放へ 停戦交渉進展に向け譲歩か

2025/03/15 10:12 

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 パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスは14日、米国籍を持ち生存している人質のイスラエル兵の男性1人と死亡した人質4人の遺体をイスラエルに引き渡すと発表した。一定の譲歩を見せることで、イスラエル軍の撤退を含む停戦の「第2段階」に向けて交渉を進展させたい思惑があるとみられる。

 ハマスの声明によると、13日に仲介国から停戦交渉に加わるよう求められ、14日朝に「前向きに」回答したとしている。人質をいつ解放するかは明らかにしていない。

 ガザ地区では1日、「第1段階」と位置づけられた42日間の停戦が終了した。その後も大規模な戦闘再開には至っていないが、イスラエルはガザ地区を封鎖し、人道支援の搬入や電力供給を取りやめている。

 関係国による協議は仲介国カタールで続いているが、ハマスが当初の合意通り停戦の「第2段階」に移るよう求めているのに対し、イスラエル側はガザ地区から撤退しないまま人質解放を進めるよう要求している。

 一方、米ニュースサイト「アクシオス」などによると、米国の中東担当特使、ウィットコフ氏は12日、ハマスが生存している人質5人と数人の遺体を引き渡すことを条件に、4月20日ごろまで停戦を延長する案を提案したという。【カイロ金子淳】

毎日新聞

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