イスラエル軍が部隊増強を準備 ガザで戦闘地域拡大の恐れ

2025/03/24 07:32 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 パレスチナ自治区ガザ地区の戦闘を巡り、イスラエル軍は23日、最近まで隣国レバノンなどで活動していた部隊が、ガザ地区での作戦に加わる準備を始めたと明らかにした。イスラエルメディアによると、軍のザミール参謀総長は、イスラム組織ハマスに圧力をかけるため攻撃の拡大を計画しており、戦闘範囲がさらに広がる恐れがある。

 イスラエル軍は23日、南部ラファの住民に退避を求めた上で、一部地域を包囲し、軍事作戦を展開した。ハマス戦闘員の殺害や軍事インフラの破壊が目的だと主張している。さらに、南部ハンユニスのナセル病院も攻撃。ハマスが病院内で活動していたとしている。ハマスは、空爆で政治部門の幹部が死亡したが、治療中だったと主張した。

 ガザ保健当局によると、戦闘によるガザ側の死者は5万人を超え、18日に戦闘が再開して以降の犠牲者は673人になった。

 一方、イスラエル政府は22日の治安閣議で、ガザ住民の自主的な移住を支援するため、国防省内に担当部局を設立することを承認した。トランプ米大統領が、米国がガザを「所有」し、住民を移住させる計画を示したことを受けた動きだが、国際社会からは「民族浄化」と批判されている。【エルサレム松岡大地】

毎日新聞

国際

国際一覧>

写真ニュース