プーチン氏、30時間の停戦命令 ウクライナ「守っていない」と非難

2025/04/20 08:35 

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 ロシアとウクライナの戦闘を巡り、プーチン露大統領は19日、ロシア正教会の「復活祭」(イースター)に合わせて19日午後6時(日本時間20日午前0時)から30時間、攻撃を停止するよう命じた。ただウクライナ側は露軍からの攻撃が続いていると主張しており、実効性は不透明だ。

 露大統領府によると、プーチン氏は、露軍のゲラシモフ参謀総長から戦況報告を受けた際に一時停戦を指示。ウクライナ側にも追随するよう求め、「我々の決断は和平交渉へのプロセスに参加するウクライナの意志がどれほどのものであるかを示すことになる」と述べた。露国防省は、停戦は「(ウクライナと)相互に順守することが条件」としている。

 両国の仲介にあたるトランプ米大統領は最近、停戦交渉の停滞にいらだちを募らせており、ロシア側には不満の矛先をかわしたい思惑もあるとみられる。

 一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は19日、プーチン氏の発言を受け、「ウクライナはロシアの行動にならう」とX(ツイッター)に表明し、応じる構えをみせた。その上で、実際に停戦が実現した場合は「20日以降も延長することを提案する」と投稿した。

 ただ、ゼレンスキー氏はその後、プーチン氏が提示した時刻以降も複数の場所で露軍からの攻撃があったと主張。攻撃を受ければ反撃すると強調した。

 プーチン氏は19日、以前に米国の仲介でロシアとウクライナの双方が合意したエネルギー施設への攻撃停止についても言及し、ウクライナ側が「100回以上も合意に違反している」と指摘。露軍に対して即座に対応できるよう指示した。

 露側は合意の起点をプーチン氏とトランプ氏が電話協議した3月18日としており、期間は「30日間」と発表していた。すでに期限を過ぎており、露側の今後の対応が注目されているが、プーチン氏は今のところ言及していない。【モスクワ山衛守剛、ベルリン五十嵐朋子】

毎日新聞

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