トランプ氏「FRB議長解任するつもりない」 トリプル安継続懸念か

2025/04/23 10:18 

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 トランプ米大統領は22日、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長について「解任するつもりはない」と明言した。一方、「金利の引き下げについては、もう少し積極的になってほしい。今は最適のタイミングだ」と述べ、引き続き、利下げを求める考えを示した。ホワイトハウスで記者団に述べた。

 トランプ政権が2日に「相互関税」を発表した後、市場では米国債を売る動きが活発化し、長期金利が上昇(債券価格は下落)。ビジネスや投資に逆風となる高金利を嫌うトランプ氏は、パウエル氏を名指しで批判し、解任をちらつかせながら早期の利下げを求めていた。

 ただ、トランプ氏の大規模な関税引き上げで米国では物価上昇(インフレ)の再燃懸念が強まっている。利下げはインフレを加速させる要因になるため、パウエル氏は当面は政策金利を据え置く考えを示している。

 市場では「実際にパウエル氏を解任すれば、FRBの政治的独立が損なわれる」との懸念から、米国債、ドル、米株式が売られる「トリプル安」が発生していた。トリプル安が続くことを恐れたトランプ氏が、パウエル氏解任を否定する発言を出すことで、「火消し」に走った可能性がある。【ワシントン大久保渉】

毎日新聞

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