中国、全温室ガス対象に削減目標を策定中 国連会合で方針明かす

2025/04/24 09:17 

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 国連は23日、地球規模の気候変動対策を話し合う首脳級会合をオンラインで開き、中国の習近平国家主席や欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長ら17カ国・地域の指導者らが参加した。会合終了後、グテレス事務総長は記者団に対し、中国はメタンをはじめとするすべての温室効果ガス(GHG)を対象にした新たな排出削減目標を策定中であると、習氏から直接伝えられたと明らかにした。

 温暖化防止の国際枠組み「パリ協定」に従い、各国は11月に開かれる気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)までに新たな削減目標を国連に提出する。中国の現行の削減目標には二酸化炭素(CO2)以外のGHGは含まれていなかった。中国はCO2より強力な温室効果があるメタンの最大の排出国。グテレス氏は「極めて重要な取り組みだ」と評価した。

 またグテレス氏は「世界は巨大な逆風と多くの危機に直面している。しかし、気候変動対策の約束が方向を誤ることがあってはならない」と強調。各国に「可能な限り強力な」削減目標を制定するよう促した。パリ協定からの離脱を決めている米国については、「米社会の複雑さを考慮して分析すべきで、国の指導者の立場だけを見るべきではない」と述べ、気候変動を軽視するトランプ政権下でも市場主導で再生可能エネルギーの導入が進むとの見方を示した。

 会合は、COP30のホスト国であるブラジルのルラ大統領がグテレス氏と共に開催を呼びかけた。【ニューヨーク八田浩輔】

毎日新聞

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