「和平交渉に有害」 トランプ氏がゼレンスキー氏批判 クリミア巡り

2025/04/24 09:05 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 トランプ米大統領は23日、ウクライナのゼレンスキー大統領がロシアによるウクライナ南部クリミア半島の占領を認めないと発言したことについて、「和平交渉で非常に有害だ。争いを終結させることが困難になる」と厳しく批判した。自身のソーシャルメディアに投稿した。両者の関係はかねてぎくしゃくしてきたが、再び亀裂が深まりつつある。

 米メディアによると、米側が提案した和平案には、米政府がクリミア半島を「ロシア領」として承認することなどが含まれる。これに対してゼレンスキー氏は22日、「ウクライナがクリミアの占領を法的に認めることはない。話し合う余地はない。憲法に違反する」などと述べていた。

 トランプ氏は投稿で、ゼレンスキー氏の発言が「戦場を長引かせるだけで、誰も望んでいない」と主張。「我々は取引に非常に近づいているが、『何のカードも持たない』この男は今こそ、(戦争を)終わらせるべきだ」と述べ、和平案を受け入れるよう迫った。

 バンス副大統領は23日、訪問先のインドで記者団に、「我々はロシアとウクライナに非常に明確な(和平の)提案をした。彼らがイエスと言うか、米国が仲介から手を引くかだ」と語った。和平案についても説明し、ロシアとウクライナの領土分割に関し「双方が現在いる場所の近くで、領土の境界線を凍結する。長期の和平につながる外交的な解決策を実行していく」と言及。「ウクライナとロシアの両方が現在持つ領土の一部を放棄しなければならない。領土の交換が必要になるだろう」とも述べた。【ワシントン松井聡】

毎日新聞

国際

国際一覧>