福島など10都県は対象外か 日本産水産物の輸入再開へ日中が合意

2025/05/30 10:55 

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 政府は30日、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出に伴い全面停止している日本産水産物の対中輸出再開に向け、具体的な手続きに入ることで日中政府が合意したと発表した。水産物の加工・処理施設を中国側に登録するなど必要な手続きが済めば、対中輸出が可能になる。日中間の大きな懸念材料の一つが解消に向け動き出す形だ。

 ただ、原発事故を受けて中国側が食品の輸入規制を続けている福島など10都県については引き続き対象外となる見通しで、日本政府は中国側に対し10都県の規制撤廃も迫る方針。

 小泉進次郎農相は30日の閣議後記者会見で日中合意は「大きな節目になる」とする一方で、一連の手続きに「一定程度の時間を要する」と指摘。輸出再開の時期については「予断をもって申し上げるのは難しい」と明言しなかった。

 中国は処理水の海洋放出に強く反発し、日本産水産物の輸入を全面的に停止。両国間で水産物の輸出条件などについて折衝が続いていた。【渡辺暢、中津川甫】

毎日新聞

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