ロシアのショイグ安全保障会議書記は４日、訪問先の北朝鮮で金正恩（キム・ジョンウン）朝鮮労働党総書記と会談した。在北朝鮮ロシア大使館が発表した。両国の軍事分野などの協力を規定した包括的戦略パートナーシップ条約の調印から１９日で１年を迎えるのを前に、条約の履行などを協議したとみられる。

　ショイグ氏が北朝鮮で金氏と面談するのは３月以来、今年に入って２回目。在北朝鮮ロシア大使館によると、ウクライナ情勢や朝鮮半島情勢について意見を交わした。

　北朝鮮はパートナーシップ条約に基づいてロシアに軍部隊を派兵しており、ウクライナが越境攻撃した露西部クルスク州での戦闘ではウクライナが制圧した地域の奪還に貢献した。

　朝鮮中央通信によると、会談でショイグ氏は派兵について「特別な感謝」を伝え、金氏は「ロシアの立場と対外政策を無条件に支持し、責任をもって条約を順守する」と述べた。両氏は「強力で全面的な戦略的パートナー関係」に発展させることで一致した。

　タス通信は４日、「クルスクの解放に貢献した朝鮮人部隊の記憶の継承」についても協議されるとの見通しを伝えた。【モスクワ山衛守剛、ソウル日下部元美】