米中貿易協議、トランプ氏「完了する」 レアアース問題、解決見通し

2025/06/11 23:20 

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 トランプ米大統領は11日、米中貿易協議が自身と中国の習近平国家主席の承認を経て完了し、中国が輸出規制していたレアアース(希土類)問題は解決するとの見解を示した。自らの交流サイト(SNS)に投稿して明らかにした。また、トランプ米政権が中国に発動している関税は55%との認識を示した。1次政権時代に課した、最大25%の関税を加味した数字とみられる。

 トランプ氏はSNSで「中国との取引は、習氏と私の最終的な承認を前提に完了する。必要な全てのレアアースは、中国が前もって供給する」と投稿し、9~10日の米中閣僚協議の合意が履行されるとの見通しを示した。

 また、「私たちの大学を利用する中国人学生の問題を含め、合意されたものを中国側に提供する」として、一部の中国人留学生に対する査証(ビザ)取り消し方針を見直す考えも示した。

 一方、トランプ氏は「我々は合計55%の関税、中国は10%の関税を課す」とも投稿した。米中は5月の閣僚協議で米国が145%の関税を30%、中国が125%の関税を10%にそれぞれ引き下げることで合意しており、数字に食い違いが出ている。

 トランプ政権の現在の対中関税は、合成麻薬の流入対策の不備を理由にした制裁関税(20%)と「相互関税」の一律部分(10%)の計30%だ。ただ、トランプ氏は1次政権時代に最大25%の対中関税を発動し、その大半を維持している。

 米ブルームバーグ通信は、ホワイトハウス高官の説明として、トランプ氏はこの既存の25%を加え55%という数字を用いたと報じている。【ワシントン大久保渉】

毎日新聞

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