インド機墜落 死者少なくとも270人 巻き添え犠牲はさらに増加か

2025/06/14 19:36 

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 インド西部アーメダバードで12日に墜落したエア・インディア機を巡り、地元の医療関係者は14日、これまでに270人の遺体を収容したと明らかにした。ロイター通信などが報じた。犠牲になったのは乗客・乗員241人と地上で巻き込まれた29人で、乗客では1人だけが奇跡的に助かっている。

 ロイターは13日、墜落原因の調査がエンジンの推力や翼のフラップ(高揚力装置)の状況、離陸後も車輪が出たままだった理由などに焦点を当てて進められていると報じた。現場からは同日、飛行データを記録した「ブラックボックス」1個が回収されており、インド当局などは原因の特定を急いでいる。

 旅客機は12日、アーメダバードの空港を離陸した直後に高度約250メートルから降下し、空港の先約1・5キロにある医学生宿舎の食堂付近に激突した。

 テレビの映像では、当該機は車輪の出た状態で、機首を上に向けたまま高度を下げて墜落する様子が伝えられた。

 ロイターによると、機体のメンテナンスを含め、エア・インディア側に過失があったかどうかも調査対象になっているという。鳥がエンジンに吸い込まれるバードストライクについては、現時点で主な調査対象とはされていないとしている。調査にはインドの他、米英両国の専門家や捜査関係者も携わっている。

 エア・インディアは14日、遺族と生存者に250万ルピー(約420万円)を追加で支払うとX(ツイッター)で表明した。先に、経営母体の大手財閥タタ・グループが遺族に1000万ルピーを支給すると表明していた。

 墜落したのはボーイング787―8型機「ドリームライナー」だ。インドの航空当局は13日、エア・インディアが所有する787のすべてを対象に安全点検を行うよう命じた。【アーメダバード松本紫帆】

毎日新聞

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