イラン核施設中枢は破壊できず 情報機関が分析 米報道

2025/06/25 08:57 

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 米CNNテレビなどは24日、米軍が実施したイランの核施設に対する攻撃について、イランの核開発計画の中枢部分は破壊されておらず、計画を数カ月遅らせる程度にとどまった可能性が高いという米情報機関の初期的な分析があると報じた。分析の説明を受けた4人の関係者の話に基づいたものだという。

 トランプ米大統領は、攻撃後の演説で「イランの重要な核(ウラン)濃縮施設は徹底的に、完全に取り除かれた」と発表したが、報じられた初期的な分析とは食い違っている。

 米軍は21日にイラン中部のナタンツ、フォルドゥ、イスファハンの核施設を大型の地下貫通弾「バンカーバスター」などを使って攻撃した。

 CNNなどによると、分析は米中央軍の「戦闘損害評価」に基づき、国防総省傘下の情報機関である国防情報局(DIA)が作成した初期段階のもの。イランが貯蔵する濃縮ウランの少なくとも一部は、事前に移動されたため破壊を免れた。また地下の施設は完全には破壊されておらず、遠心分離機も大部分が「無傷」だったとみられるという。

 この報道について、ホワイトハウスのレビット報道官はX(ツイッター)で「トランプ大統領をおとしめるためのリークだ」と分析内容を否定。「3万ポンド(約1万3600キロ)の爆弾14発を目標に完璧に投下すれば、その結果は完全な破壊だ」と反論している。【ワシントン西田進一郎】

毎日新聞

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