トランプ氏、カナダには35%関税 8月1日以降 SNSに書簡投稿

2025/07/11 11:12 

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 トランプ米大統領は10日、8月1日以降、カナダには35%の関税を課すと表明した。鉄鋼・アルミニウムや自動車など、国家安全保障上のリスクを理由にした「分野別関税」以外の輸入品が対象となる。米国は合成麻薬フェンタニルの米国への流入防止対策の不備を理由にカナダに原則25%の制裁関税を課しているが、それより10%引き上げることになる。

 カナダのカーニー首相宛ての書簡を、自らのソーシャルメディアに投稿した。フェンタニル対策の不備に加え、「多くの関税や非関税障壁で、米国は持続不可能な巨額の貿易赤字を抱えている」と批判した。「カナダがフェンタニルの流入防止で我々に協力すれば修正を検討する」とも説明している。

 トランプ政権は4月に多くの貿易相手国に対し「相互関税」を発動したが、隣国であるカナダとメキシコに対してはフェンタニル対策の不備を理由にした25%の制裁関税を課していた。

 一方、トランプ氏は10日、NBCニュースのインタビューに対し「残る国は20%か15%を支払うことになるだろう」と発言。カナダを含め23カ国への書簡を公開しているが、書簡を送らなかった国には15%か20%の関税を適用する考えを示した。

 米国の主要な貿易相手では、欧州連合(EU)やメキシコ、インド、台湾に対する書簡をまだ公開していない。【ワシントン大久保渉】

毎日新聞

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