イランとIAEA、査察再開に向け協力で合意 国連制裁回避が狙いか
イランのアラグチ外相は9日、国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長とエジプトの首都カイロで会談した。両者はイランの核施設に対するIAEAの査察再開に向けた「技術的な手順」について合意した。国連安全保障理事会では対イラン制裁の復活を巡る協議が続いているが、査察再開につながれば、議論の行方に影響する可能性がある。
イランは6月、イスラエルと米国に核施設を空爆されたことを受け、IAEAとの協力を停止した。しかし、IAEA側との協議は続け、協力再開に向けた枠組みを議論していた。イランとしては、今回の合意でIAEAとの協調をアピールし、国連制裁の復活を回避する狙いがあるとみられる。
アラグチ氏とグロッシ氏は9日、報道陣の前で合意文書に署名した。合意内容の詳細は明らかにしなかったが、グロッシ氏は共同記者会見で「今日は重要な日だ」と強調し、署名を歓迎した。一方、アラグチ氏は「制裁復活などの敵対行為があれば、これらのステップは無効となる」とけん制した。
イランは2015年、米英仏独中露の6カ国との間で「核合意」を締結し、核開発を制限する見返りとして国連安保理などの制裁が解除された。だが、18年に米国が一方的に核合意から離脱。イランは対抗措置としてウラン濃縮などを進めてきた。
英仏独は今年8月下旬、核開発への懸念を強めて国連制裁を復活させる手続きを開始。IAEAの査察受け入れ▽濃縮ウランの備蓄に関する懸念への対処▽包括的な合意に向けた交渉の再開――を求めた。9月下旬までに安保理で制裁を回避する新たな決議案が採択されなければ、イランに対する武器禁輸などの制裁が復活することになる。
IAEAによると、イランは6月にイスラエルとの戦闘が始まった時点で濃縮度60%の高濃縮ウラン約440キロを保有していたが、その所在は分かっていない。米国との核開発を巡る交渉も5月下旬以降、中断している。【カイロ金子淳】
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