米連邦政府の当面の運営資金を賄う「つなぎ予算」を巡り、米議会上院は１９日、同日下院を通過したばかりの共和党案を否決した。９月末までにつなぎ予算を成立させなければ、政府機関は一部閉鎖に追い込まれる。トランプ政権の下で与野党対立が深まっており、解決の糸口は見えない。

　下院共和党が策定したつなぎ予算案は、新会計年度の始まる１０月１日から１１月２１日までの政府運営資金を手当てする内容。下院で１９日に可決され上院に送られたが、即日、否決された。米議会は上下院とも与党・共和党が多数派だが、上院（定数１００）を「議事妨害」なしに通過させるには６０票が必要で、野党・民主党の協力が不可欠となっている。民主党は年末で期限切れとなる医療費助成の延長を求めているが、共和党は応じない考え。

　トランプ大統領は１９日、ホワイトハウスで記者団に「民主党と協議を続けるつもりだが、一定期間の閉鎖はあり得ると思う」と述べた。【ワシントン大久保渉】