中国の新型空母、電磁カタパルトを使った発艦訓練に初成功

2025/09/23 10:17 

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 中国海軍は22日、新型国産空母「福建」が艦載機を射出する「電磁カタパルト」を使用した発着訓練に初めて成功したと発表した。映像も公開した。中国メディアは「遠洋での作戦能力を飛躍的に高める」とする専門家の分析を伝えた。

 福建は中国軍3隻目の空母で、現在は就役に向けた最終試験段階にある。電磁カタパルトはリニアモーターによって艦載機を加速して発艦させる仕組み。今回、新型のステルス戦闘機「殲35」や早期警戒機「空警600」などが洋上での発着を成功させたという。

 電磁カタパルトによって推進力が増すため、艦載機はより多くの燃料や兵器を搭載しての離陸が可能になる。戦闘機だけでなく、早期警戒機や無人機(ドローン)など多様な機体の発艦に対応できるのも特徴だという。

 従来の中国軍空母2隻は先端がそりあがった飛行甲板から艦載機の推進力のみで飛び立つ「スキージャンプ」方式であり、電磁カタパルトはこれまで米軍の原子力空母のみが保有する技術だった。

 中国国営中央テレビは「我が海軍が『近海防御』から『遠洋防衛』へと戦略を転換するうえで重要な支柱となる」とする専門家の分析を伝えた。【北京・河津啓介】

毎日新聞

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