無期限休止の米ABC番組、23日放送再開へ カーク氏射殺事件

2025/09/23 09:35 

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 米人気コメディアンのジミー・キンメル氏が司会を務めるABCテレビの名物トーク番組が無期限休止となった問題で、ABCの親会社ウォルト・ディズニーは22日、放送を23日に再開すると明らかにした。

 キンメル氏は保守活動家チャーリー・カーク氏の射殺事件を巡り、15日の自身の番組で、トランプ大統領の支持層が「政治的な得点を稼ごうとしている」などと発言した。これにトランプ政権側が猛反発し、ABCは17日に番組休止を決定していた。

 米メディアによると、親会社のディズニーは22日の声明で「我が国が感情的な瞬間にある中で、緊張状態をさらに悪化させないために休止を決定した」と釈明。「コメントはタイミングが悪く、思慮に欠けていた」とする一方、キンメル氏と話し合った末に番組再開を決定したとしている。

 キンメル氏の発言を巡っては、放送局を所管する米連邦通信委員会(FCC)のカー委員長が17日、「病的だ」とし「これらの放送局が行動しなければ、FCCが動かざるを得ない」として制裁まで示唆した。またトランプ氏は番組休止を「米国にとって素晴らしいニュースだ」とソーシャルメディアに投稿していた。

 一方で番組休止の発表後、西部カリフォルニア州のディズニー本社前などでは市民らが抗議活動を展開。22日には番組再開の報道に先立ち、人権団体「米自由人権協会」(ACLU)が「言論の自由に対する政府の脅しは決して受け入れられない」などと訴える書簡を公開し、米ハリウッド俳優のトム・ハンクスさんやメリル・ストリープさんら400人超が名を連ねていた。【ワシントン金寿英】

毎日新聞

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