台風18号で大雨 台湾で17人死亡 せき止め湖あふれ集落に洪水

2025/09/24 16:45 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 台湾東部・花蓮県で23日、台風18号の影響に伴う大雨で山間部のせき止め湖があふれ、下流の集落で洪水が発生した。台湾当局によると、24日午後4時時点で17人が死亡、32人がけがをしたほか、17人が行方不明となっている。

 台湾の中央通信社などによると、23日午後2時50分(日本時間同3時50分)と同4時半(同5時半)ごろの2度、県中部を流れる河川「馬太鞍(ばたいあん)渓」の上流にあるせき止め湖から大量の水があふれ出し、下流の光復地区などの住宅地に押し寄せた。

 消防当局は、亡くなった人の多くは高齢者で、建物の1階にいたと説明。台風接近に伴い地元当局が避難を呼びかけていたが、逃げ遅れた可能性がある。

 台湾メディアによると、橋(長さ約450メートル)が途中で折れて橋桁を残して流されたほか、市街地で建物が冠水し、乗用車や軍のトラックが流された。花蓮県を中心に最大約8400人が避難所などに身を寄せた。24日に入って水位は下がりはじめ、台湾各地から駆けつけた消防、警察、軍が救助活動を本格化させた。

 馬太鞍渓では、7月の台風などで大規模な土砂崩れが発生し、せき止め湖ができた。その後の雨で水かさが増しており、当局が監視を続けていた。

 花蓮県では2024年4月に県沖を震源とする最大震度6強の地震があり、県北部の太魯閣(たろこ)渓谷で大規模な崩落が起きるなど、自然災害が相次いでいる。

 一時猛烈な勢いに達した台風18号は台湾とフィリピンの間を西に向かって通過し、24日に中国南部付近に進んだ。AP通信によると、フィリピンでは少なくとも10人が死亡。香港では62人がけがをしたほか、23日夜から香港空港で旅客機の離着陸を取りやめ、多くの利用客が足止めされた。【台北・林哲平】

毎日新聞

国際

国際一覧>