トランプ氏「国連による妨害工作だ」 エスカレーター停止など

2025/09/25 17:51 

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 「国連による三重の妨害工作だ」。トランプ米大統領は24日、国連総会で前日に行った一般討論演説に際し、移動に利用した国連本部のエスカレーターが突然停止したり、原稿を映し出すプロンプターが故障したりしたことに関して、「妨害工作」だと訴えた。国連のグテレス事務総長に対して、即時の調査を求める書簡を送るという。

 トランプ氏は自身のソーシャルメディアへの投稿で、エスカレーターの停止について、「手すりをしっかり握っていた。さもなければ、大惨事だった」「実行犯は逮捕されるべきだ」と記した。

 さらに、エスカレーターとプロンプターの問題に加え、会場には音声が流れていなかったとも主張。演説後に妻のメラニアさんに感想を聞いたところ、「一言も聞こえなかった」と言われたという。トランプ氏は「これは偶然ではなく、三重の妨害工作だ」とした。

 一方、ロイター通信によると、国連の報道官はエスカレーターの停止は安全装置の作動によるものだと反論した。トランプ氏のカメラマンがトランプ夫妻の映像を撮影中にエスカレーターを逆向きに上ったことで、装置が作動した可能性があるという。

 また音声トラブルの主張について、国連関係者はロイターに「各国の代表が六つの言語に翻訳された演説をイヤホンで聞けるように設計されている」と説明。プロンプターについても「ホワイトハウスが操作していた」と証言した。

 23日の演説でトランプ氏は「国連から得たのは悪いプロンプターとエスカレーターだ」などと皮肉っていた。また、不動産業のトランプ氏がかつて国連本部の改修工事で落札できなかったことにも触れ、「彼らは膨大なコスト超過に直面した」などと、国連への「恨み節」とも取れる批判をしていた。【松井聡(ニューヨーク)、古川幸奈】

毎日新聞

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