再開発進む新宿駅 27日から歩行者が西口で東西方向の往来可能に

2025/09/25 15:47 

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 国内最大のターミナル駅・新宿駅(新宿区)やその周辺で大規模な再開発が進んでいる。27日には新たな空間の第一歩として、歩行者が道路を横断せずに旧小田急百貨店前から西新宿地区・都庁舎方面に直進できるようになる。一方、工事は続き、西口前では南北方向(青梅街道―甲州街道間)の車両の通り抜けができなくなる。

 都によると、これまで地上から西新宿地区に行く場合、小田急HALCや京王百貨店前の横断歩道まで迂回(うかい)する必要があったが、歩行者動線が変更され、東西を行き来できるようになる。

 新宿駅の周辺一帯には築50年以上の建物が集まり、鉄道によって駅の東西が分断されているため、回遊性の低さが課題の一つとなっている。都と新宿区は2018年に「拠点再整備方針」を策定。更新期を迎えたビルの建て替えをきっかけに駅や駅前広場、駅ビルが一体化した「新宿グランドターミナル」に再編する巨大プロジェクトを進めている。

 プロジェクトは駅周辺の約10・1ヘクタールが対象。東西を線路の上で結ぶ約110メートルのデッキの新設工事や、東口と西口の広場の再整備などを進め、人中心の空間を作ることでにぎわいの創出を狙う。

 21年に都主導で、地権者のJR東日本と小田急電鉄、京王電鉄、東京メトロとともに着工。46年度の事業完了を目指している。総事業費は約728億円を見込む。西口の小田急百貨店跡地には、都庁よりも高い約260メートル(地上48階)の高層ビルが完成する予定だ。

 27日の動線の切り替えは午前0~3時ごろに実施。荒天などの場合には10月4日未明に変更する。【遠藤龍】

毎日新聞

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