金正恩氏と中国首相が会談 10日午後に軍事パレード開催か

2025/10/10 11:17 

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 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記は9日、党創建80周年を記念する祝賀行事に出席するため訪朝中の、中国の李強(りきょう)首相と会談した。10日に朝鮮中央通信が伝えた。両氏は両国の協力強化で一致し、協力を「全面的に発展させるため」のハイレベルの往来や多分野での交流などについて協議した。

 韓国軍合同参謀本部は祝賀行事の一環として平壌で軍事パレードを準備する動きがあると指摘しており、10日午後に開催される可能性がある。聯合ニュースによると、中国首相による北朝鮮の公式訪問は2009年10月に当時の温家宝首相が訪朝して以来16年ぶり。

 朝鮮中央通信によると李氏は会談で、「中朝友好は関係発展の新たなページを開いている」と指摘。両国の関係を「強固にし、発展させることは党と政府の一貫した確固たる戦略的方針だ」と述べた。金氏も両国関係の発展は北朝鮮政府の「揺るぎない立場だ」と強調した。

 また、新華社通信によると、金氏は「一つの中国」原則を支持し、「台湾の独立、分裂行為やいかなる外部による干渉にも断固として反対する」と主張。香港や新疆ウイグル自治区、チベット自治区を巡る問題についても、中国側の立場に支持を表明した。

 平壌では9日深夜に記念行事が開催され、海外からは李氏の他、ロシアの与党「統一ロシア」のメドベージェフ党首(前大統領)やベトナム最高指導者のトー・ラム共産党書記長が出席した。

 金氏は記念行事の演説で、「米国による核戦争の脅威に対処し、経済と核戦力の建設を並進させなければならなかった」と振り返った上で、「敵国の凶暴な政治的・軍事的圧力に超強硬な姿勢で対抗していく」と強調。「今の勢いで数年間、闘争すれば、いくらでも我々の手で生活を大きく改善し、理想とする目標に行き着くことができる」と訴えた。【ソウル日下部元美】

毎日新聞

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