決定打は米国とハマスの「直接会談」 停戦合意の内幕 米報道

2025/10/14 08:00 

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 停戦合意の裏にはドラマチックな会談があった――。米ニュースサイト「アクシオス」は13日、パレスチナ自治区ガザ地区の和平交渉で、米国のウィットコフ中東担当特使らがイスラム組織ハマスの幹部と膝詰めで会談し、合意を取り付けていたと報じた。

 この会談で米国側は、イスラエルが戦闘を再開しないことをトランプ大統領が保証すると伝え、ハマスが同意したという。

 和平案の詳細を詰める交渉は、6日からエジプト東部シャルムエルシェイクで本格化した。

 報道によると、米国とハマスの会談があったのは8日午後11時ごろ。交渉が行き詰まる中、仲介国カタールの交渉担当者がウィットコフ氏の宿泊先を訪れ、「彼らと会って握手してくれれば合意できると思う」と伝えた。

 数分後、ウィットコフ氏がトランプ氏の娘婿、クシュナー元大統領上級顧問とともに別室に行くと、中には仲介国エジプトとカタール、トルコの交渉担当者に加え、4人のハマス幹部が待っていた。45分間に及ぶ会談でウィットコフ氏はハマス側に対し、「人質は資産というより負債だ」と指摘。「あなた方は公平に扱われる。20項目の計画(和平案)はすべて履行されることを保証する」とのトランプ氏のメッセージを伝え、合意を迫った。

 ハマスと仲介国の担当者はいったん別室に移動。その数分後、エジプトの担当者が戻ってきて、ウィットコフ氏に「先ほどの会談に基づき、合意に達した」と伝えたという。

 ハマスとイスラエルは9日、合意文書に署名し、10日からガザで停戦が発効した。トランプ氏は13日、イスラエル国会で「今こそ戦場での勝利を中東全体の平和と繁栄に変える時だ」と演説し、「戦争の終結」を強調した。【シャルムエルシェイク金子淳】

毎日新聞

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