イスラエル「ハマスが合意違反」 人質返還まで支援物資の搬入半減か

2025/10/15 08:38 

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 イスラエル当局は14日、パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスが人質の遺体を返還するまで、ガザ地区とエジプトの境界にあるラファ検問所を閉鎖したままにすると決めた。イスラエルメディアが報じた。ラファ検問所は支援物資の主要な搬入路。支援物資の搬入も当初方針から半減させる方針で、人道状況の改善が遅れる可能性がある。

 ハマスは停戦合意に基づき、13日に生存する人質20人全員を引き渡し、4人の人質の遺体を返還。さらに14日も4人の遺体を引き渡したが、いまだ20人の遺体が取り残されたままだ。合意では人質全員を一度に引き渡すとされており、イスラエルの一部の閣僚からは「合意違反だ」との声が上がっていた。

 トランプ米大統領は14日、自身のソーシャルメディアに「まだ仕事が終わっていない。約束通り、遺体が帰ってきていない!(停戦の)第2段階が今すぐ始まる!!!」と投稿し、ハマスに合意を履行するよう求めた。

 またトランプ氏はホワイトハウスで記者団に、ハマスが武装解除しなければ「我々がハマスを武装解除させる。迅速に手荒に行われるかもしれない」と述べて、圧力をかけた。

 ロイター通信によると、イスラエルは当初1日あたり600台のトラックの搬入を認める予定だったが、300台しか認めないと国連に伝えた。人道インフラ関連の用途を除き、燃料やガスの搬入は認めないという。

 中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」は14日、イスラエル軍の攻撃で少なくとも9人が死亡したと報じた。軍は部隊に近づいた住民に威嚇射撃をしたと主張しているが、停戦は不安定な状況になっている。【エルサレム松岡大地】

毎日新聞

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