トランプ氏、CIA秘密作戦を許可 ベネズエラ政権の転覆視野か

2025/10/16 17:12 

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 トランプ米大統領は15日、米中央情報局(CIA)が南米ベネズエラで秘密作戦を実行することを許可したと明らかにした。米政権はベネズエラから出港した麻薬密輸船だとする船への攻撃を繰り返してきた。

 トランプ氏は「今は陸を注視している」とし、ベネズエラ領内への攻撃の可能性も示唆した。目標は対立するマドゥロ政権の転覆にあるとも報じられており、両国の緊張が一層高まる可能性がある。

 トランプ氏はホワイトハウスで記者団からマドゥロ政権の排除について聞かれ、「そんな質問には答えたくない。ばかげた質問だ」としつつ、「ベネズエラは焦っているだろう」とも述べた。作戦を許可した理由として、「ベネズエラが刑務所を開放し、犯罪者らを米国に入国させている」「大量の麻薬が流入している」の2点を主張した。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)によると、今回の許可により、CIAが「致死的」な作戦を実行できるようになる。また、CIA単独でも、大規模な軍事作戦と連動する形でも工作活動が可能になる。ただ、NYTはCIAが具体的な作戦を計画しているかどうかは不明だとしている。

 米政権はこれまで麻薬流入阻止を理由に船や乗組員を攻撃し、NYTによると、計27人を殺害した。一方で、マドゥロ大統領は米側が政権転覆を狙っているとして警戒を強めている。

 CIAは過去に、中米や南米、カリブ海でさまざまな工作活動に従事してきた経緯がある。1961年にキューバのカストロ政権の転覆を試みた「ピッグス湾事件」のほか、73年のチリの軍事クーデターも後押ししたとされる。【ワシントン松井聡】

毎日新聞

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