トランプ氏「ウクライナが勝つとは思わない」 再びロシア寄りに

2025/10/21 09:35 

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 トランプ米大統領は20日、ロシアが侵攻を続けるウクライナ情勢を巡り、「ウクライナが勝つとは思わないが、まだ勝てるかもしれない」と述べた。

 9月下旬には「欧州の支援を得たウクライナが、元の形を取り戻す戦いに勝利する立場にあると思う」と言及していた。トランプ氏は停戦を巡る立場を二転三転させており、再びロシア寄りに姿勢が傾いている模様だ。

 トランプ氏はホワイトハウスで記者団から、数週間前に「ウクライナが勝てるかもしれない」という趣旨の発言をしたことについて聞かれ、「彼らが勝つとは言っていない」とし、「戦争は奇妙なものだ。何が起こるか分からない」とも語った。

 複数の欧米メディアによると、トランプ氏は17日のウクライナのゼレンスキー大統領との会談で領土割譲を迫った。ゼレンスキー氏が拒否し、最終的には現在の前線で即時停戦する案で折り合ったという。

 領土の割譲はプーチン露大統領の主張に沿ったものだ。トランプ氏は最近、停戦に消極的なプーチン氏に不満を強めていたが、プーチン氏との16日の電話協議を受け、ロシア寄りに姿勢を転じた可能性がある。両首脳はハンガリーで首脳会談を実施する見通しで、行方が注目されている。

 米露両政府によると、ルビオ米国務長官とラブロフ露外相は20日、電話協議した。首脳会談の調整を図った模様だ。

 米国務省は16日の電話協議を受けた「次のステップ」について話し合ったと説明。ルビオ氏は戦争の永続的な解決に向けて、今後の取り組みの重要性を強調した。

 露外務省は、電話協議での合意事項を実施するための「具体的な措置について建設的な議論をした」としている。【ワシントン松井聡、モスクワ真野森作】

毎日新聞

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