ワールドシリーズでトランプ関税の批判広告 報復「10%追加」

2025/10/26 09:03 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 トランプ米大統領は25日(日本時間26日朝)、自身のソーシャルメディアで、カナダからの輸入品に対して10%の追加関税を課すと表明した。レーガン元大統領の発言を引用した関税批判の広告動画が即時に停止されなかったことへの報復措置。24日にあった米大リーグのワールドシリーズ中に放映されたとし、トランプ氏は「カナダは詐欺だと知りながら流した」と非難した。

 広告を巡っては、トランプ氏は23日、制裁措置としてカナダとの全ての貿易交渉を打ち切る方針を表明している。

 トランプ氏は投稿で「レーガン氏の演説を悪用した虚偽広告だ」と強調。「レーガン氏は国家安全保障と経済のための関税を支持していた」と主張した。その上で、「重大な事実歪曲(わいきょく)と敵対的行為」を理由に、現行の関税率に10%を上乗せする意向を示した。発動時期などの詳細には触れていない。

 米メディアによると、広告にはカナダ東部オンタリオ州が資金提供した。同州のフォード首相(知事)は24日、X(ツイッター)に週明け27日から米国での広告を一時停止すると投稿している。ただし、週末のワールドシリーズの2試合では放映するように指示していた。

 広告は、関税が経済を破壊すると非難した1987年のレーガン氏の演説の音声を引用。「市場は縮小・崩壊し、産業は閉鎖されて数百万もの人々が職を失う」などと警告する内容が含まれている。【ワシントン浅川大樹】

毎日新聞

国際

国際一覧>

写真ニュース