トランプ米大統領が来日、28日に高市首相と会談 同盟強化確認へ

2025/10/27 20:20 

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 トランプ米大統領は27日夕、大統領専用機で羽田空港に到着した。1月の第2次政権発足後、初めての訪日。28日に高市早苗首相と初の日米首脳会談を行い、日米同盟の強化を確認する。首相はトランプ氏との信頼関係構築も目指す。

 首相は27日、自身のX(ツイッター)でトランプ氏の来日を歓迎したうえで、「偉大な日米同盟を一緒に一層強化していくための議論ができることを楽しみにしている」と投稿した。トランプ氏はマレーシアから日本に向かう機内で、日本で何を発表する予定かを記者団に問われ「素晴らしい友情だ。新しい首相と会うことを楽しみにしている」と述べた。

 首脳会談では、関税交渉の合意内容の具体化や、レアアース(希土類)など重要鉱物の安定確保に向けた協力に関する共同文書に署名する見通し。米国が自国での生産に意欲的な造船の能力拡大に加え、人工知能(AI)や宇宙など7分野での協力覚書も結ぶ。

 安全保障分野では防衛費の増額が焦点となる。首相は会談で、防衛費を2027年度に国内総生産(GDP)比2%に増額する目標を25年度中に前倒しする方針などについて説明する見通しだ。覇権主義的な動きを強める中国への対応なども議題となる方向だ。

 トランプ氏の来日は2019年6月の主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に出席するため大阪市を訪れて以来、約6年ぶり。日本政府は国賓に次ぐ公式実務訪問賓客としてトランプ氏を迎えた。トランプ氏は27日夜には皇居で天皇陛下と会見した。

 首脳会談後の28日午後には大統領専用ヘリコプター(マリーンワン)に首相と同乗して米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)を訪問する予定。米原子力空母ジョージ・ワシントンを視察し、強固な日米同盟をアピールする。その後、東京都内の駐日米大使公邸で開く日本の財界関係者との会合で対米投資を呼びかける。日本政府関係者によると、日本側から複数の投資案件が示される見通し。29日まで日本に滞在する予定で、安倍晋三元首相の妻昭恵さんとの面会も調整している。【田所柳子、松井聡、古川幸奈】

毎日新聞

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