SNS推し本大賞決まる ビジネス推し本賞に「ぼくは今日も定時で帰る。」

2025/10/27 20:41 

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 インターネット投票で選ばれる新しい形のブックアワード「SNS推し本大賞2025」が決まり、東京都千代田区で24日、授賞式が開かれた。

 読書好きによるネット上のコミュニティー「本をつなぐプロジェクト」が今年初めて取り組んだ。「これまでに刊行された全書籍」が対象で、1人最大10作品を推すことができる。

 今年7~9月に最終選考が行われ、延べ3761人が参加。最終投票の得票数で、「ビジネス推し本賞」「小説推し本賞」「知の扉がひらくで賞」「世界の見え方、変わるで賞」など7部門の大賞を決めた。

 ビジネス推し本賞部門で大賞を受賞した「ぼくは今日も定時で帰る。」の著者、まひろさんは、「取りたい賞だったので本当にうれしいし、信じられない。自分がSNSで書いてきたことをまとめた本なので、受賞によりSNSの可能性をますます広げることにつながると感じている」と喜びを語った。

 「本をつなぐプロジェクト」代表で、「SNS推し本大賞」の運営の中心となった井藤慎さん(46)は、「ぶっくま」という名で各種SNSを展開し、15万人のフォロワーのいる読書系インフルエンサー。書評を集積した「ツナグ図書館」、音声プラットフォームで読書の魅力を発信する「読書が好きになるラジオ」の運営や、X(ツイッター)の音声配信機能を使った本を読んだことがない人向けの読書会「有益読書会」も行っている。井藤さんは「SNSによる発信力が私たちの強み。読者が参加できる賞という特色を生かして、出版社や書店と協力を深めたい」と話している。【浜田和子】

 「SNS推し本大賞」各部門の大賞作品は以下の通り。

<ビジネス推し本賞>「ぼくは今日も定時で帰る。」(ダイヤモンド社)

<小説推し本賞>「禁忌の子」(東京創元社)

<知の扉がひらくで賞>「発信をお金にかえる勇気」(きずな出版)

<世界の見え方、変わるで賞>「僕には鳥の言葉がわかる」(小学館)

<この気持ちシェアしたいで賞(ビジネス)>「文章で伝えるときいちばん大切なものは、感情である。」(アスコム)

<この気持ちシェアしたいで賞(小説)>「婚活マエストロ」(文芸春秋)

<発掘部門>「一遍踊って死んでみな」(文芸社)

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