トランプ氏、韓国の原子力潜水艦建造「承認」 背景に北朝鮮の核開発

2025/10/30 08:14 

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 トランプ米大統領は30日、韓国の原子力潜水艦の建造を認める考えを明らかにした。韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領が29日にトランプ氏と会談した際、核兵器開発を高度化させる北朝鮮の動向を念頭に、韓国が原子力潜水艦を独自に開発するために核燃料の保有を認めるよう米国側に求めていた。

 トランプ氏は29日から韓国を訪問している。自身のソーシャルメディアで、米韓が関税を巡る投資で合意したことなどに言及し、「我々の軍事同盟はかつてないほど強固であり、それを踏まえ、原子力潜水艦の建造を承認した」と記した。

 さらに、「原子力潜水艦は(米東部)フィラデルフィアで建造される。米国の造船業は間もなく大きな復活を遂げる」とも述べた。

 原潜はディーゼルエンジンよりも潜航可能時間が圧倒的に長く、敵に探知されにくい。米国のほか、中国やフランスなどが所有しており、今後、米英豪の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」の合意に基づいて、豪州も導入する計画だ。

 韓国が原潜の開発を目指す背景には、北朝鮮が核兵器の開発を加速させる中、保有国が限られる原潜を保有することで国民の「安心感」を高めたいとの狙いがある模様だ。韓国政府はこれまでも、水面下で核燃料の購入の可否について米国に打診をしていた。【慶州(韓国南東部)松井聡】

毎日新聞

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