日本市場狙う中国BYDの本気 モビリティショー、小型EV主戦場に
徹底的に日本に合わせた中国車に、日本勢は主力車種のEV(電気自動車)化で対抗――。国内最大の自動車ショー「ジャパンモビリティショー2025」が31日、東京都江東区の東京ビッグサイトで一般公開する。
先行公開イベントでは中国のEV大手、比亜迪(BYD)が日本向けに開発した軽EVや、トヨタ自動車の人気車種「カローラ」で初となるEV対応モデルなどが公開された。消費者に身近な車種にEVが投入され、競争の主戦場となりそうだ。
「日本の地方に行くと、軽自動車がその町の風景になっている。皆さんがめでた軽自動車を電気自動車で提供させていただきます」。BYD日本法人の劉学亮社長は報道陣に向け、2026年夏の発売を目指す、同社初の軽EV「RACCO(ラッコ)」を紹介した。
同車は日本専用モデル。国内で人気がある車高の高い「スーパーハイトワゴン」と呼ばれる車でスライドドアを装備する。
EVではないが、販売台数上位のホンダ「N―BOX」やスズキ「スペーシア」などと同様の特徴を持つ。航続距離が長いものと、短いものの2モデルを用意。価格は非公表だが、軽EVで最安水準である250万円以下を目指すとみられる。
劉社長は「日本(市場)にフルコミットしていく」と話し、日本向けの仕様投入で、本気で軽や小型EV市場のシェアを狙っている。
一方、国内の自動車市場をリードするトヨタ。同社が1966年から、さまざまなモデルを展開してきたのが「カローラ」だ。
トヨタは29日、EV初対応となる「カローラ」コンセプトモデルを公開した。コンセプトモデルは国内外のさまざまな需要を想定した。
モビリティショーに登壇した佐藤恒治社長はカローラを「みんなのためのクルマ」と表現。「動力がなんであれ、みんなが乗りたくなるかっこいい車を実現する」と話した。コンセプトモデルはガソリン車、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)のほか、今回新たにEVにも対応。トヨタの代表的な車種である「カローラ」でEV市場に打って出ることになる。
他社もEVに注力する。軽自動車が主力のスズキは、26年度に量産化を目指す同社初の軽EVのコンセプトモデル「Vision e-Sky」を公開した。
EVは航続距離や充電施設が少ないことが難点と言われるが、軽自動車は主に日々の通勤や買い物など短距離移動で使われ、自宅での充電で十分とみられている。鈴木俊宏社長は「EVは軽自動車に一番適している」と強調した。
同社の軽EVはBYDと真っ向勝負になるとみられるが、鈴木社長は価格面での「『利益なき競争』には乗らない」と断言。「我々は我々で準備してきましたから」と軽自動車の開発にノウハウを持つ、自社の車作りに自信を見せた。
日産自動車は軽EV「サクラ」を投入済みだが、サクラに搭載できる電動スライド式の太陽光パネル「Ao-Solar Extender」付きの車両を展示した。年間最大約3000キロの走行に必要な電力を充電でき、災害時の電源としての使用も期待できるという。
最新技術を競うショーでは各社がEVの新モデルを出展する予定だが、24年の国内新車販売台数に占めるEVの割合は2%未満と、今の日本ではEVが普及しているとはいえない。
ただ、販売価格が抑えられる軽や小型のEVは、公共交通機関が限られ、車を複数台持つ家庭が多い地方の「セカンドカー」需要を掘り起こすのではないかという期待が企業にある。
BYD日本法人の乗用車部門を担う、BYDオートジャパンの東福寺厚樹社長は報道陣の取材に、日本メーカーも含め小型や軽自動車の車種が充実し、「軽自動車がEVに乗るきっかけのモデルになることを期待する」と話した。
ショーの一般公開は11月9日まで。【鶴見泰寿、加藤美穂子】
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