米財務長官、日本のロシア産LNG輸入「いずれ低減」 米産転換期待

2025/10/31 10:25 

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 ベッセント米財務長官は30日、米メディアのインタビューで、日本のロシア産液化天然ガス(LNG)の輸入について「いずれ減少させるだろう」と述べた。その上で米アラスカ州でのLNGプロジェクト計画参加に期待を寄せた。将来的な調達先の切り替えを念頭に置いているとみられる。

 日本の2024年のLNG輸入量のうち、ロシアは全体の8・6%を占めた。ベッセント氏は「日本は相当量のロシア産LNGを購入している」と指摘。「日本はアラスカで建設中の大規模パイプライン計画への参加が見込まれる」などとした上で、「戦略的な安全保障を構築し、ロシア(依存)から切り離すことができる」と意義を強調した。

 エネルギー収入をウクライナ侵攻の戦費に充てるロシアへの圧力強化に向け、トランプ政権はロシア産エネルギーの購入停止を各国に求めている。ベッセント氏は今月15日に米ワシントンで会談した加藤勝信財務相(当時)に対しても、ロシア産LNGの輸入停止を要望していた。

 アラスカLNGプロジェクトは米エネルギー企業グレンファーンが計画。アラスカ州北岸から約1300キロのパイプラインを敷設し、30年代前半にアジア向けLNG輸出を目指す。日本のエネルギー企業では、発電最大手のJERAと東京ガスが長期契約を示す意向表明書をグレンファーン社とそれぞれ締結している。【ワシントン浅川大樹】

毎日新聞

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