「外国語は不快」6割超 英国の右派はトランプ氏支持者よりも反移民

2025/10/31 10:40 

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 公共の場で外国語を聞くのが不快な人は6割を超える――。英国の主要な右派2政党の支持者は、移民規制を厳格化するトランプ米大統領(共和党)の支持者よりも移民への嫌悪感が強く、多文化主義にも否定的であるとの傾向が、英調査機関の世論調査分析で明らかになった。

 近く発表予定の報告書の内容を、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が30日に報じた。

 調査では英左派政党の支持者も、米民主党の支持者に比べ移民を嫌う傾向が表れた。英社会全体に不寛容が広がりつつある現状が改めて示された形だ。

 FTによると、英調査機関「社会調査センター」(NatCen)は今夏、英国の成人2000人以上を対象に世論調査を実施し、米調査会社ピュー・リサーチ・センターなどが2024年に米国で行った世論調査の結果と比較した。

 24年の英下院総選挙で中道右派・保守党と右派ポピュリスト政党・リフォームUKに投票した人(以下、英右派)のうち、「公共の場で外国語(英語以外)を聞くのが不快」と答えたのは66%で、トランプ氏の支持者の47%を上回った。

 また、「多民族・多宗教化によって社会は弱体化する」と答えた人は英右派で52%と、トランプ支持者の19%の3倍弱に上った。「白人の人口比率の低下は社会に悪影響を及ぼす」との回答も英右派で70%に達し、トランプ支持者の43%を大きく超えた。

 一方、英総選挙で中道左派の労働党や自由民主党、緑の党に投票した人(以下、英左派)の28%が「外国語を聞くのが不快」と答え、24年の米大統領選でハリス前副大統領(民主党)に投票した人の17%よりも多かった。

 「白人比率の低下は社会に悪影響」の回答も英左派は24%と、ハリス支持者の9%を大きく上回った。

 英国では近年、英仏海峡を小型ボートで渡ってくる不法移民などへの反発が強まっている。不法移民の大規模送還を掲げるリフォームUKは支持率を急伸させ、2大政党の労働党、保守党を抑えてトップに立つ。【ロンドン福永方人】

毎日新聞

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