米地裁、低所得者向け食料費の全額支給を命令 政府機関一部閉鎖で

2025/11/07 09:03 

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 米連邦地方裁判所は6日、連邦政府の一部機関閉鎖で運営資金が枯渇した低所得者向け食料費補助制度(SNAP、旧フードスタンプ)について、緊急資金の活用で11月分を7日までに全額支給するように政府に命じた。米メディアが伝えた。トランプ政権が当面の対応として従来の半額を支給するとの方針を示していたため、混乱が続いていた。

 SNAPは米社会の重要なセーフティーネットと位置づけられ、全米で約4200万人が利用している。東部ロードアイランド州の連邦地裁判事は6日の審理で、SNAPの資金がなければ1600万人の子供が直ちに飢餓の危険にさらされるとの懸念を表明し、「米国で決してあってはならないことだ」と指摘した。

 連邦地裁は10月末、政府に緊急資金の活用でSNAPを再開するように命令。これを受け、政府は特定の緊急資金のみを使った半額支給を決定し、作業が数週間遅れる恐れがあると説明していた。政府閉鎖が長期化する中、判事はトランプ政権が「政治的理由」で補助の支給を遅らせていると非難し、迅速な対応を求めていた。【ワシントン浅川大樹】

毎日新聞

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