暴行罪に問われた「サンドイッチ男」に無罪評決 トランプ政権に抗議

2025/11/07 16:30 

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 トランプ米政権が推進する不法移民の取り締まりにあたる法執行官にサンドイッチを投げつけたとして暴行罪に問われた男性(37)に対し、米首都ワシントンの連邦地裁の陪審は6日、無罪の評決を下した。男性が強権的な治安対策に反発し、サンドイッチを投げて逃げる様子を映した動画がインターネットで拡散。トランプ政権に抗議する「サンドイッチ男」として知られるようになった。

 裁判資料によると、8月10日午後11時ごろ、男性はワシントンの街頭で見回りをしていた税関・国境警備局(CBP)の執行官らに近づき、「ファシストめ! なぜこの街にいるんだ」などと非難。持っていたサンドイッチを執行官の左胸に投げつけたとされる。

 米紙ワシントン・ポストによると、裁判で執行官は「サンドイッチが全身に飛び散った」「制服がマスタードと薬味だらけになった」と被害を強調した。弁護側は写真を示し、サンドイッチは包装されていたとして「本当に飛び散ったのか」と追及。防弾ベストに当たっており「身体に危害を与えていない。無害な抗議だ」と主張していた。

 事件当時、トランプ政権は治安対策を名目に、ワシントンに不法移民を取り締まる法執行官や州兵の派遣を始めていた。司法省は当初、男性を重罪に問う方針だったが、大陪審で認められず軽微な罪に切り替えた。【ワシントン金寿英】

毎日新聞

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